皆様ご無沙汰しております!いかがお過ごしでしょうか?1月もあっと言う間に半分過ぎてしまいましたね。マルケはなかなか冷え込んでいますが、私は元気に過ごしております★ さてさて、今週の日曜日、1月17日はSant'Antonio Abate(聖大アントニオス)の日でした。本来ならイタリア各地でお祝いのイベントが行われるのですが、今年はあいにく中止。(*パドヴァの聖アントニオとは異なるのでご注意を!)動物の守護神として崇められている、聖アントニオ。猫を飼ってる私にとって大切な聖人なので今回は簡単に彼の紹介をしたいと思います! エジプト生まれの聖アントニオ。キリスト教徒として育ち、両親と死別してしまった後、財産を貧しい者に与え、砂漠で隠遁生活を始めます。その際に、周りに動物達だけを引き連れていたことから「動物の守護神」として崇めらるようになったそうです。彼の亡くなった17日の深夜には動物達が喋れるようになるという言い伝えも。 田舎の教会では、この日のミサに特別、家畜やペットも祝福を受けられるようになっています。マルケでも犬や猫のみならず、豚やヤギを引き連れる姿が見受けられるのですよ。またミサの最後には人間、そして動物のために「祝福のパン」が配られ、これをみんなで頬張るのが定番です。 今年はコロナでこの儀式は残念ながらお預けとなってしまいましたが、形だけでもと思い、日曜日の朝にニャンコ達とシェアするパンを朝から焼きました!全くもって「聖なるもの」ではありませんが、2匹は喜んで食べてましたよ。笑 また、三つ編みの形のパンには意味があり、結び目が「同盟」と「忠実さ」を象徴し、聖人との強い絆を意味するようです。はい、ここもあくまで形だけですが、ちゃんと三つ編み型に焼き上げました:) また聖アントニオの日を機に、カルネヴァーレシーズンがスタートし、パスティッチェリア(お菓子屋さん)では期間限定の揚げ菓子が見受けられるようになります。
正式なカルネヴァーレは2021年は2月11日からですが、今年はほとんどのお祭りが中止のようです。イタリア一有名なヴェネチアのカルネヴァーレは1月半ば現在「検討中」とのことです。こればっかりはしょうがないですね!今年は自宅で目一杯揚げ菓子を食べて祝いましょう! 下の写真のお菓子は「スフラッペ」と呼ばれる揚げ菓子。スフラッペはマルケの方言で、イタリア各地で呼び名が異なるのですが、「フラッペ」や「キアッケレ」がより一般的かと。笑 小麦粉、卵、砂糖、ミストラ(アニスのリキュール)、レモン汁からできた生地を薄く伸ばし、揚げたものです。揚がったら、粉砂糖あるいはアルケルメス(真っ赤なスパイシーリキュール)をかけて食べるのが定番となっております! カルネヴァーレ菓子はまた今度詳しくご紹介しますね! それでは今日はこの辺で〜Ciao! ニコル 2020年2月23日ボローニャ発着トリュフ祭ツアーを行います。行き先はイタリア一のトリュフの生産量を誇るアクアラーニャです!この日は最高級黒トリュフ「ネーロ・プレジャート」の収穫祭、そしてカルネヴァーレの時期にもあたりますので、仮装を楽しむ人やコリアンドリと呼ばれるカラフルな紙吹雪が町中にまかれます。削りたての黒トリュフとイタリアのカーニバルがいっぺんに楽しめる、またとない機会ですよ☆ 詳細はこちらより。 ご質問、お申し込みはこちらよりどうぞ! 写真は2019年のアクアラーニャ白トリュフ祭の様子です。このように生のトリュフがたくさん陳列され、販売されています。スタンドの前を通ると「ふわっ」とトリュフのいい香りが!虜になっちゃいます。 ちなみにトリュフは日本への持ち込みが可能ですので、こちらで購入してスーツケースにいればオッケーです!軽くラッピングもしてくれます。ただ白トリュフはどうしても傷みやすいので、お持ち帰りには黒がオススメです。 そしてトリュフ以外にも様々なスタンドが並びます!マルケの郷土品はもちろんのこと、イタリア全土からの特産品が出店されるので、大忙しですよ。笑 どこも皆人懐っこい店員ばかりなので、たくさん試食されてくれます。また食べ物以外にも木材でできたお皿やまな板、陶器、革製品なども販売されています。 そしてマルケの中でもマイナーな白ワイン、「ビアンケッロ」の生産者ブースもあり、こちらでは本格的なテイスティングが出来ます。トリュフとワイン!文句なしのコンビネーションですね。 こちらは全て室内です! そして中心広場にはフードスタンドが!トリュフをふんだんに使用したお料理をワインと共に楽しめます。オススメはトリュフと卵焼き入りのクレーシャ (ピアディーナに似た、平べったいパンです)。クレーシャはペーザロ・ウルビーノ州発祥とされているので、まさにこの地の郷土料理です!フランチャコルタ片手にクレーシャ 、いかがですか?
次回のアクアラーニャトリュフ祭開催は2020年2月23日!私達と一緒に専用車付きでゆったりとトリュフ祭、一緒に楽しみませんか?ご質問等はお気軽にどうぞ! 今日はマルケを代表するパスタ「マッケロンチーニ」(Maccheroncini di Campofilone)の紹介です! 「マッケロンチーニ」という名前から一見、日本でもよく見かける「マカロニ」を想像されるかもしれませんが、全くもって別物です!カンポフィローネのマッケロンチーニは細長い(厚さ0.7mm以下、横幅1mmと規定されています)「カッペリーニ」に近い卵パスタなんですよ。 起源は地元の農民の食卓にあったとされ、その歴史は1400年代まで遡ります。卵を使用したパスタは基本、できたらすぐ食べるものですが、マッケロンチーニは大量に生産された卵の保存方法としてこの地の農民から人気があり、おかげで卵が採れづらい冬でも卵パスタがカンポフィローネでは楽しめたと言われています。 またマッケロンチーニはイタリアで初のIGPに認定された卵パスタでもあります!ですので、ヨーロッパ連合から『本物』であると保証されており、また原材料のみならず、生産プロセス、パッケージングまで検査されています。 マッケロンチーニ、何よりもの特徴が水を一切使用していない事!その伝統は今でも引き継がれ工場で生産されているマッケロンチーニも水を足していません。レシピは至ってシンプルで、1kgの小麦粉に対し卵10個!以上!! そして小麦粉はデュラム小麦のセモリナのみ使用しています。粗挽きのセモリナ粉を使うことにより、パスタの表面もザラザラし、このざらつきのおかげでソースとよく絡むんですって。 また、通常のスパゲティなどのロングパスタよりもはるかに長いマッケロンチーニ。フライパンや鍋の中ではなかなかうまく絡みきれません!そこで登場するのが木製のまな板。茹で上がったパスタをすぐさままな板の上へ、そしてその上からソースをかける!長いパスタを持ち上げながらソースに絡ませるのがポイントです。こうすることでパスタがひっついてしまうのを防ぎ、また途中で切れてしまうことなくうまく混ぜれます。 写真は全て8月に行われたマッケロンチーニ祭の様子。8月の最初の週末、4日間にかけて行われる歴史あるサグラ(お祭り)でして、2019年はなんと56回目でした!地元の人のみならず外国からの観光客も多く訪れていましたよ。出しているメニューは至ってシンプル、パスタはラグーソースのマッケロンチーニのみ!あとはおつまみにオリーベ・アスコラーネとポテトフライがあるくらいでした。ワインとビールはもちろんありますので、ご安心下さい。笑 来年こちらのサグラに参加したい方、ご連絡下さい☆ お次は、マッケロンチーニの伝統的な食べ方について。定番はやはりラグーソースです!マルケではラグーを作る際に豚と牛のひき肉のみならず、鶏のひき肉、そして牛の角煮が入っています。家庭によってはアヒルの肉を使うマンマもいますよ。近いうちにラグーのレシピもアップしますね! まだ庭にトマトがなっていたのでフレッシュトマトを使用して今回は作りました。新鮮なトマトで作るラグーは美味しさ倍増です!手間暇かかるレシピですので、頻繁には食べませんが、日曜日のランチ、祭日に家族全員で食事を楽しむ際に登場するメニューです。 またラグー以外にもシーフードベースのソースにもよく合いますよ!ちなみに私はマッケロンチーニで作る「カチョエペぺ」が個人的に大好きです。 最後に家庭でマッケロンチーニを美味しく食べる秘訣。まずは茹で時間です!1分程で良いんです。茹でた後ソースと絡める際もまだまだ水分を吸収するので、茹で時間を短くし、またソースは通常より水分多めに用意しておきましょう!
来週はカンポフィローネの街、そしてパスタ工場Marilungoの紹介をしたいと思います!お楽しみに〜☆ ユネスコ創造都市ネットワークに認定されているファブリアーノの街。13世紀に始まったとされる製紙業で有名なファブリアーノ、高級文房具店「ファブリアーノ ブティック」でご存知の方もいらっしゃるかと思います。 そんな歴史と芸術溢れる街で毎年行われるパリオ祭に合わせて行われる、「インフィオラータ」を見に行って来ました! インフィオラータとは、花びらやドライフラワーを使って地面にデザインを施すフラワーカーペットのことです。イタリアでは元々キリスト教のイベントの装飾として行なわれ、ファブリアーノでも教会内でインフィオラータが行われます。堂内に入ると花のいい香りが漂ってきます! 全て自然の花の色で再現されており、着色料は一切使用していないとのこと!上記の冴えるようなブルーも矢車菊のドライフラワーを細かく砕いたもの。衣類のグラデーション、些細な明暗のコントラストも花びらのみで表現されていて、写真ではこの美しさが伝え切れません! 毎年6月に行われるファブリアーノのパリオ祭。ファブリアーノのパリオは競馬でなく、アーチェリーや樽転がしといった伝統スポーツで競います!お祭りに合わせてツアーを組むこともできますので、来年は一緒に楽しみませんか?!
またウェブサイトに私達オススメのマルケイベント情報を掲載し始めたので、こちらも合わせてご覧下さい! 週末にマルケの伝統工芸祭に行ってきました!伝統工芸を忘れないように、そして次の世代に引き継いでいかれるようにと今年で25周年目を迎えるイベントです。レース編み、木彫り、靴作り等、様々な職人の方が集まり、実際にデモンストレーションをしていました。 こちらのおじさんは模型職人。模型はもちろんのこと、筆塗りも全て自分でこなすとのこと!イタリア人のおじさんは大抵にこやかで可愛らしい印象の人が多いのですが、彼は違いました。きっと職人の醸し出す「オーラ」でしょうね、イタリア人らしからぬ「厳格さ」をお持ちでした。そもそもこれらを全て手で作るなんて、私には想像できないですね。笑 恐れ入りました! いつもの通り、散歩をしているとお腹が減ってしまうので、おやつタイムに!こちらはCrescia(クレーシャ)と言う、マルケ州ウルビーノ発祥のパンです。比較的パリパリなので、どちらかと言うとパンよりフォッカッチャやピアディーナに似ています。ローズマリーとオリーブオイルでいただきました。このシンプルな食べ方ですと、クレーシャそのものの味がよくわかり、オススメです。と言いつつもハム、ソーセージ等を挟んで食べても非常においしいです!笑 ポニーやトラクター乗りもありましたよ。子供の無邪気な笑顔って本当に心が和みますね〜。伝統芸に触れられ、そしてお腹も満たされ、素敵な昼下がりを過ごせました。
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