今日はコーネロ山国立公園内に位置するワイナリーMoroder Wineの紹介です。ソムリエ教室の一環として行って来ました。また今回はワインの試飲のみならず、豪華なテイスティングランチ付きでしたよ! コーネロ山は「山」と言っても標高600m足らず、それでも列記とした山として扱われており、1980年代には国立公園にも認定されました。北はトリエステ、南はガルガーノまでの800kmあるアドリア海岸沿いに唯一ある山で、様々な野生動植物が暮らしています。 このコーネロ山で作れられるワインがロッソ・コーネロ。この地から古くから栽培されているモンテプルチャーノを使用したフルボディの赤です。1967年にDOCに認定された後、長期熟成されたリゼルヴァは2004年よりDOCGにも昇格されました。15%までサンジョベーゼのブレンドが許されますが、100%モンテプルチャーノのものをよく見かける気がします。Moroderでも生産されている5種類のロッソ・コーネロのうち4種類はモンテプルチャーノ100%です。また彼らの最高級リゼルヴァDoricoに至っては樹齢50年以上のモンテプルチャーノが使用されます。 そしてこの地の特徴として挙げられるのが、ミネラル豊富な白亜質と粘土質を含む土壌、また水はけがとても良いのでワイン造りに向いているそう。夏は晴天が多く、気温が上昇するものの爽やかな海風が吹き抜けることで健康なブドウが育ち、美味しいワインができます。 Moroderは10年ほど前よりEUのオーガニックファーミングの認定も受けています。また最も最近に出されたZeroと呼ばれるロッソ・コーネロは一切SO2が加えられていません。美味しいだけでなく、環境にも配慮しているワイナリーですね。 畑を見学した後は一番の見所でもあるセラーへ。今となってはたくさんのバリックが並びますがで、昔は雪と藁を敷き詰め、冷蔵庫の役割を果たしていたそう。地下へ降りて行くと涼しいものの一気に湿気もジワ〜っと広がりました。 そしてワイナリーが成長すると共にセラーも拡大され、テイスティングルームの役割も果たしています。ワインが眠っている横で試飲だなんてとってもロマンチックだと思いませんか? 最初の一本はどんなシーンにも活躍しそうなロゼのスプマンテ。メルローとシラー半々のブレンドです。「試飲」のはずが、皆思わずグイッと。そしてお代わり!この日は外が30度越えの真夏日だったからです、という言い訳。笑 とってもフレッシュで酸味がきいている一本だったからこそスイスイと飲めてしまったのかなと思います。まさに真夏にピッタリですし、ちょっと脂っこいマルケ名物チャウスコロ(生サラミ)と合わせるのに最適な一本だねと満場一致しました。 さて、乾杯を済ませて後はランチタイムへ。Moroderはワイナリーのみならず、アグリツーリズモも経営しているので、葡萄畑に囲われた絶景のロケーションでランチ、またはディナーが楽しめます。 一品目はレストラン一押しの「ストラッキーノチーズのパンナコッタ、梨のカルパッチョ添え」です。ストラッキーノとは北イタリア発祥のフレッシュタイプのチーズ。酸味が少々ありながらも、とってもクリーミーでパンに直接塗って食べるのが定番です。パンナコッタと聞くとこってりしているのかと思いましたが、ストラッキーノのフレッシュさが口いっぱいに広がり、甘い梨との相性も抜群! 合わせたワインはアロマティック品種として有名なマルヴァジーア。注がれるとすぐにトロピカルフルーツの香りがフワーッと広がり、一瞬「甘口ワインなのかな」と思ってしまうほど。一口口に含めるとフルーティーな味わいのみならず酸味が感じられ、これはまさにフレッシュチーズと合わせるのに造れたものではないでしょうか!?こちらはすぐにお買い上げを決定しました。 続いてプリモは「そら豆とアーティチョークのカンネローニ」。合わせたワインはグルナッシュとシラーをブレンドしたロゼ。ベジタリアンの一品ですが、クリームベースなのでちょっぴりヘビーだったパスタ。ロゼが綺麗に油を切ってくれました。またアーティチョーク独特の苦味との相性もとても良かったです。 メインを頂く前にワインの準備。すぐにグラスに注ぐのではなく、一旦少量をグラスに注ぎ香りを「慣らす」そう。何か難しそうなことをしていたので思わずマッティアに何をしているのか訪ねてしまいました。「特別な一本を開けるのだからこれくらいのことはしないとね」と。彼らのロッソ・コーネロのリゼルヴァにかける熱い想いを感じました。 メインのローストポークを頂く前にまずは彼らご自慢のリゼルヴァ「ドーリコ」を試飲。モンテプルチャーノ独特のダークチェリーやレザーの香りのほか、トリュフやほのかに土の香りも。そして若いロッソ・コーネロにはないエレガントなタンニン。マッティアが太鼓判を押す気持ちがよくわかりました。脂身ののったローストポークともよく合いましたよ。 そして最後に登場したのがティラミス。ドルチェなしのイタリアンランチは考えられないですよね。合わせたワインはモスカート。甘さの中にもフローラルな爽やかさもあり、甘すぎない一本でした。ほろ苦いティラミスとのマリアージュも最高でしたが、私はやっぱりパネットーネと合わせたかったです!クリスマス前になったらまた買いに来なければ! 長くなりましたが、Moroderの紹介いかがでしたか?ゆっくりと時間が流れるマルケで美味しいワインと食事、皆様もいかがですか?
コロナが収まったらぜひ一緒にマルケのワイナリー周りましょうね☆ ご質問等はいつでもお待ちしております!お気軽にどうぞ。 |
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